旅行先に必要な海外旅行保険のチェックでは、
- 旅行先に必要な保険の種類と金額
- クレジットカードに付帯する海外旅行保険
を照らし合わせて確認をします。
具体的には、旅行先に必要な保険の種類と金額を満たすクレジットカードを選択することになります。
また、1枚のカードで必要な保険の種類と金額が満たせない場合には、複数のカードを合算して海外旅行保険を利用します。
なぜ、わざわざ旅行先に合わせて海外旅行保険を選ぶ必要があるのか?
クレジットカードの海外旅行保険は、旅行先に合わせて
- 必要な保険の種類
- 保険に対する補償金額
を選択することになります。
もちろん、海外旅行保険も保険の一種なのであらゆるトラブルに対して制限無く補償してくれる方が良いのは間違いありません。
とはいえ、保険会社の海外旅行保険に加入するには高額な保険料が必要。
数年に一度の海外旅行であれば、手厚い全部入りの高級海外旅行保険に入るのも安心できるという意味では良いでしょう。
とはいえ、年に何度も海外に出かけたり、できる限り節約をして現地で少しでも多く楽しみたいと考ているのであればクレジットカードの海外旅行保険を使って旅行先に合わせて保険を確保したくなると思います。
個人的には年に何度も海外に出かけるので、何でもかんでも補償してくれる過剰な保険に高いお金を払って加入するよりも、最低限必要な保険とほとんどのトラブルに対応できる補償額があれば問題は無いと考えています。
そこで、このような基準で海外旅行保険の種類と金額を確保するようにしています。
どの国に旅行に行くにも最低限必要な保険の種類
海外旅行保険と一言で言っても値段はピンキリ。
全部入りの高額保険もあれば、クレジットカードのような最低限に絞られた海外旅行保険もあります。
その中でも、どこの国に旅行に行くにも持っておきたいいくつかの保険があります。
言い換えると、海外旅行に最低限必須の海外旅行保険です。
それが、
- 傷害治療保険 – ケガをしたときに病院治療費用を補償
- 疾病治療保険 – 病気になったときに病院治療費用を補償
- 携行品損害保険 – 持ち物が盗難・破損したときに補償
- 損害賠償責任保険 – 法的な賠償責任を負ってしまったときに補償
の4つ。
この4つが必要な理由は、統計上海外旅行のトラブルの約9割以上がいずれかに当てはまるからです。
この4つの保険を持っておけば、海外旅行で起こりうるトラブルにほぼ対応できる安心感があります。
この4つの保険に関するトラブルはいくら注意していても、海外旅行慣れしていたとしても避けられるモノではありません。
逆に言えば、これらの保険を持っていないと旅行中もケガや体調不良、盗難などのトラブルにビクビクして旅行を楽しめなくなってしうということです。
旅行先によって必要な海外旅行保険の種類と金額
もう一つ重要になるのが4つの保険に対しての補償金額。
海外旅行保険では、トラブルに遭った際にいくらまで補償してくれるのかという上限金額が決まっています。
上限金額は保険の種類ごとに設定されていています。
また、クレジットカードに付帯する海外旅行保険によって金額が異なります。
各国の病院での治療費用をリサーチした結果、エリアごとに最低限確保しておきたい補償金額が異なる事が分かりました。
エリアごとに確保する補償金額が違う理由は、国ごとに病院医療費が異なるからです。
海外でのトラブルの約7割は傷害(ケガ)と疾病(病気)になります。
アジアエリアでは比較的医療費は安く、日本と同水準ですが健康保険が効かない分高額になります。
アメリカやヨーロッパエリアではそもそもの基本医療費(初診料や治療費)が高額なため、医療費の請求が高額になります。
また、入院や手術を伴うケガの場合には300万円の請求を超えるような「高額医療費用事故」となる可能性があります。
そのため、万一の事態に備えてその程度の補償額までを確保するようにしています。
これに、トラブルの約3割を占める携行品(盗難・破損)が起こりやすいヨーロッパエリアでは少し多めに見積もっています。
こういった考え方をベースに、以下のような補償金額を海外旅行保険に最低限確保する補償金額としています。
アジアエリアに必要な金額
傷害治療費用 | 疾病治療費用 | 携行品損害 | 損害賠償責任 |
---|---|---|---|
300万円 | 300万円 | 20万円 | 2000万円 |
東アジア・南西アジア・東南アジアへの旅行。
一般的な旅行先として、台湾・韓国・香港・インドネシア・シンガポール・タイ・マレーシア・フィリピン・モルディブなどがあります。
アジアエリアの特徴として、
- 中心部はキレイだが、それ以外は衛生環境があまり良くない
- 年中モワッとした熱帯気候
- 治安が悪いエリアが必ずある
といった共通点があります。
特に気を付ける必要があるのが食事や水で、衛生環境が悪い現地ではできる限り水を持ち歩いたり非加熱のものを口に入れないなどの注意は必要です。
また、統計上突出して多いトラブルが病院治療に関するものになります(約7割)
病院の医療費は日本とほぼ同水準であるためあまり心配は要りません。
ただし、健康保険が効かない10割負担での計算となるのでちょっとしたケガや病気でも数万円の請求を超えることも少なくありません。
よほどのことが無い限り高額医療費用事故(※病院の医療費請求が300万円の請求を超える)にはならないことから、傷害治療保険・疾病治療保険を300万円確保するのがアジア旅行の海外旅行保険に必要な補償金額としています。
ヨーロッパエリアに必要な金額
傷害治療費用 | 疾病治療費用 | 携行品損害 | 損害賠償責任 |
---|---|---|---|
300万円 | 300万円 | 50万円 | 3000万円 |
一般的なヨーロッパ旅行では、中・西部への旅行(イタリア・スペイン・フランス・英国・ドイツ)が多くなると思います。
衛生面でいえばほとんどの場所がキレイ。イタリアやスペイン、ドイツでは水道水もキレイです。
ですので、アジアのように食事や水に神経質になる必要はありません。
観光地として有名なこれらの国々では、圧倒的にスリや強盗といった盗難被害に注意する必要があります。
統計上でもヨーロッパの携行品損害請求は飛び抜けて高くなっており、実際に盗難被害が多いことが分かります。
注意していて避けられるモノではないほどスリ・強盗・盗難のレベルが高いので、保険を手厚くしておくのがイチバンの対策です。
- 携行品損害保険の補償金額をできる限り多くする
- 10万円を超える持ち物をできる限り持ち歩かない(※携行品損害保険の補償範囲は1商品10万円が上限)
アメリカエリアに必要な金額
傷害治療費用 | 疾病治療費用 | 携行品損害 | 損害賠償責任 |
---|---|---|---|
500万円 | 500万円 | 20万円 | 5000万円 |
日本人にとってアメリカエリアで多い旅行先はハワイ・グアム・サイパン。
次いで西海岸のロサンゼルスです。
ニューヨークやマイアミもアメリカ人には人気の旅行先ですが日本人には少し遠い旅行先となります。
ハワイを含むアメリカエリアで最も注意しておくべきなのは病院の医療費。
アメリカエリアの医療費がバカ高いのは有名な話ですが理由はシンプルで、病院が勝手に値段を決められるシステムだからです。
ザックリと言ってしまえば、全てが私費治療の整形外科や審美歯科のようなものだと考えてもらえれば分かりやすいと思います。
- 医者の給料が高額 – 医者はハイステータスで成功者の象徴
- 薬剤費が高額 – 利権ビジネス
- 医療システムが古い – 改善/効率化する必要がない
その結果が高額な医療費に反映されています。
数日間の入院と家族を呼び寄せるような事態になると300万円の医療費を超えてしまうことがほとんどなので、万一に備えて500万円程度の傷害・疾病治療保険を確保してきます。
また、個人的な見解ではありますが自己主張が強く訴訟大国という側面もあるので、損害賠償責任保険も5,000万円–7,000万円程度とるようにしています。
旅行先に必要な海外旅行保険の種類と金額
- 年に何回か海外旅行に行く
- 少しでも保険料を節約したい
という場合には、クレジットカードの海外旅行保険が向いています。
クレジットカードの海外旅行保険は付帯保険なので、海外旅行に出かける度に自動的に海外旅行保険が適用されます。(※自動付帯のクレジットカードの場合のみ)
個人的には何枚かのクレジットカードをパスポート用の財布に入れてあるので、海外に出かける度に海外旅行保険が無料で自動で付いてくる感覚です。
今では上の表で挙げたような国やエリアごとの必要金額もあまり考える事も無くなっています。
海外に行くたびに海外旅行保険に加入する手続きが面倒だったり、節約した保険料を少しでも海外で楽しむ費用に回したい人にはクレジットカードの海外旅行保険が使いやすくてスマートです。